トゥーランドット
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「今こそサヴォンリンナに行く時です。世界クラスの声楽に興味があるなら。テノールのアマディ・ラガがプッチーニの『トゥーランドット』でカラフの役を非常に稀に聞かれる方法で演じています。少なくともフィンランドのオペラ舞台では」と、2018年にヘルシンキン・サノマットの批評家が書きました。そして今、この壮麗さが再び戻ってきます。プリンセス・トゥーランドット役はエヴァ・プロンカで、コンサートピアニストから一夜にしてオペラ歌手に変わり、今では世界の主要なオペラハウスで引っ張りだこの存在です。
「サヴォンリンナオペラフェスティバルでのプッチーニの『トゥーランドット』の制作は、私が見た中で間違いなく最も印象的なオペラの一つです。」 Turun Sanomat 14.7.2004
もし人生で一つだけオペラアリアを聴くなら、最高のものを選ぶべきです: Nessun dorma(「誰も眠ってはならない」)。これは歌手にとって力の証明であり、聴衆にとっては酔わせるような蜜です。また、『トゥーランドット』を見る絶好の理由でもありますが、この愛のクラシックを体験する理由は他にもたくさんあります。
『トゥーランドット』はドラマに満ちたオペラですが、それでもハッピーエンドがあります。それは愛が障壁を打破し、恐怖を克服できることを思い出させてくれます。ペット・ハルメンの演出は力強く、プッチーニの音楽は非常に壮大で美しいです。
サヴォンリンナで上演される『トゥーランドット』には、ユニークなひねりもあります。これはプッチーニが1924年に亡くなった最後の作品です。演出家ハルメンは、末期のプッチーニを巧みに自身のオペラに取り入れました:意識が薄れるにつれて、マスター作曲家は妄想に陥り、自分の人生と『トゥーランドット』のプロットを絡めます。
近年、『トゥーランドット』は東洋主義と文化的盗用に関する議論の対象となっています。これは過去のヨーロッパで生まれた時代のイメージです。その時代の典型的なように、プッチーニは本当にエキゾチックな東洋を賞賛し、その美しさを模倣しました。実際、この『トゥーランドット』はプッチーニの目を通して見ることができ、彼の人生を振り返ります。
作曲:ジャコモ・プッチーニ
台本:ジュゼッペ・アダーミ&レナート・シモーニ
あらすじ
時と場所:いつとも知れない伝説時代の北京
第1幕
宮殿(紫禁城)の城壁前の広場。役人が群衆に宣言する「美しいトゥーランドット姫に求婚する男は、彼女の出題する3つの謎を解かなければならない。解けない場合その男は斬首される」今日も謎解きに失敗したペルシアの王子が、月の出とともに斬首されるべく、喝采する群衆の中を引き立てられてくる。敗戦により、国を追われて放浪中の身であるダッタン国の王子カラフは、召使いのリューに手を引かれながらさ迷う盲目の父、ダッタン国の元国王ティムールを発見し、3人は互いに再会を喜ぶ。ペルシア王子処刑の様子を見にトゥーランドット姫が広場に現れ、カラフは一目見てその美しさの虜となる。ティムール、リュー、そして宮廷の3大臣ピン、ポン、パンが思いとどまるよう説得するが、カラフはトゥーランドットの名を叫びながら銅鑼を3回打ち鳴らし、自らが新たな求婚者となることを宣言する。第1幕では、トゥーランドット姫は一切声を発さない。
第2幕
ピン、ポン、パンの三大臣が軽妙なやりとりで姫とカラフの噂話をしている。そのうち、帝の出御となり群衆が集まる。万歳の叫び声の中、皇帝アルトウームがカラフに無謀な試みをやめるよう説得するがカラフは耳を貸さない。こうして姫が冷やかな表情で出てくる。
カラフの謎解きの場面。トゥーランドット姫は、何故自分がこのような謎を出題し、男性の求婚を断ってきたのかの由来を改めて述べる「かつて美しいロウ・リン姫は、異国の男性に騙され、絶望のうちに死んだ。自分は彼女に成り代わって世の全ての男性に復讐を果たす」。
第一の謎「毎夜生まれては明け方に消えるものは?」カラフ曰く「それは希望」第二の謎「赤く、炎の如く熱いが、火ではないものは?」「それは血潮」カラフは2つまでも正解を返す。最後の謎「氷のように冷たいが、周囲を焼き焦がすものは?」カラフは暫く悩むが、これも「トゥーランドット!」と正答する。
謎がことごとく打破されたトゥーランドット姫は父アルトゥーム皇帝に「私は結婚などしたくない」と哀願するが、皇帝は「約束は約束」と娘に翻意を促す。カラフは姫に対して「それでは私もたった一つの謎を出そう。私の名は誰も知らないはず。明日の夜明けまでに私の名を知れば、私は潔く死のう」と提案する。
第3幕
北京の街にはトゥーランドット姫の命令が下る。「今夜は誰も寝てはならぬ。求婚者の名を解き明かすことができなかったら住民は皆死刑とする」カラフは「姫も冷たい部屋で眠れぬ一夜を過ごしているに違いない。夜明けには私は勝利するだろう」とその希望を高らかに歌う。ピン、ポン、パンの3大臣は多くの美女たちと財宝を彼に提供、姫への求婚を取り下げるよう願うが、カラフは拒絶する。ティムールとリューが、求婚者の名を知る者として捕縛され連行されてくる。名前を白状しろ、とリューは拷問を受けるが、彼女は口を閉ざし、衛兵の剣を奪い取って自刃する。リューの死を悼んで、群衆、3大臣など全員が去り、トゥーランドット姫と王子だけが残される。
王子は姫に熱い接吻をする。リューの献身を目の当たりにしてから姫の冷たい心にも変化が生じており、彼を愛するようになる。ここで王子ははじめて自らの名がカラフであることを告げる。「名前がわかった」と姫は人々を呼び戻す。
トゥーランドットとカラフは皇帝の玉座の前に進み出る。姫は「彼の名は……『愛』です」と宣言する。群衆は愛の勝利を高らかに賛美、皇帝万歳を歌い上げる中、幕。
プログラムとキャスト
指揮者: イヴ・アベル
演出、セットデザイン、衣装デザイン、照明デザイン: ペット・ハルメン
合唱指揮者: ヤン・シュヴァイガー
サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル合唱団 サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル児童合唱団 サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル管弦楽団
言語: イタリア語
字幕: フィンランド語と英語
上演時間: 約3時間15分、インターバル2回を含む
エヴァ・プロンカ: トゥーランドット
アマディ・ラーガ: カラフ
トゥーリ・タカラ: リウ
ソニア・ヘッラネン: リウ
ペトリ・リンドロース: ティムール
VIP/「アイティオリップ」サービスは、以下の全てを提供します:
-オラヴィリンナ城への専用入口
-オペラフェスティバルのボックス席で、ステージの良好な視界とインターミッション中の迅速なアクセスを提供
-パフォーマンス前およびインターミッション中に、中央ホールでアイティオリップゲスト専用のスペース
-アイティオリップゲスト専用のトイレ施設
-インターミッション中に提供されるサヴォニアの珍味、「サパクセット」としても知られる
-インターミッション中のフェスティバル管理者からの挨拶
-パフォーマンスプログラムとフェスティバルの記念品を含むウェルカムパッケージ
オラヴィ城
サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル(フィンランド語: Savonlinnan oopperajuhlat)は、フィンランドのサヴォンリンナで毎年夏に行われている国際的なオペラ音楽祭。
会場は1475年に建てられた湖上の要塞、オラヴィ城。オラヴィ城は「聖オラフの城」という意味。現存する石造りの城としてはもっとも北方にある。
オラヴィ城という軍事的拠点で初めてオペラが上演されたのは、フィンランド独立を遡ること5年前の1912年である。既にヨーロッパ・ツアーを行うなど名声を得ていたフィンランドのソプラノ歌手アイノ・アクテは熱心な愛国者だったこともあり、1907年より風光明媚なこの城をオペラ会場として目をつけていた。
こうしてアクテの指揮の下で始まったオペラ祭は以後5年間に渡って毎年夏に開催される。この間に上演されたのは、5回中4回がフィンランド人による作曲のオペラというものであった。しかし1917年以後は第一次世界大戦やフィンランド独立、翌年のフィンランド内戦などの混乱で中止となる。
その後歌唱の講習会が行われるようになって国際的なオペラ公演の必要性が主張されるようになり、1967年になってから再び開催されるようになった。この時はベートーヴェンのフィデリオが上演された。
再開後は新作オペラの初演も行われ、アウリス・サッリネンの」騎手」「王はフランスへ行く」「宮殿」、パーヴォ・ヘイニネンの「ナイフ」、エイノユハニ・ラウタヴァーラの「アレクシス・キヴィ」、カレヴィ・アホとオッリ・コルテカンガスの共作「時と夢」の6作品が上演されている。
現在では開催が1か月に及ぶ一大イベントに成長している。毎年の総動員数は6万人に達し、そのうち4分の1は外国からの観光客と見られている。
オラヴィ城への交通手段
オペラやコンサート会場へはサヴォンリーナ市内のいくつかのホテルより送迎バス(有料)をご利用いただけます。
バスルート/時刻表
18時00分:Malakias Summer Hotel (Hernemäki)
18時10分:Tott Hotel
18時15分:Seurahuone Hotel
18時20分:Spa Hotel Casino und Vuorilinna
18時25分:Pietari Kylliäinen Hotels
18時30分:Burg Olavinlinna, Linnankatu Altestelle.
公演終了後15分後より、オラヴィ城付近のバス停よりホテル行きのバスが出発します。