ナブッコ

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PreviousNOV 2031

 

ジュゼッペ・ヴェルディ
有名な囚人の合唱付き

ヴェルディの有名な名作ナブッコは自由への渇望に関するオペラだけなのでしょうか?ジリ・ヘルマンの演出は、バビロンの王とユダヤ人の物語に魅力的な視点を提供します。物語の中心には家族関係と、王ネブカドネザル自身がいます。

良い統治者であり、大帝国を築くための代償は何でしょうか?ヴェルディのオペラは、旧約聖書の物語に基づいており、バビロン王ネブカドネザルによって捕らえられたユダヤ人たちが故郷に帰りたいという願いを抱いています。今日に至るまで、その力と関連性は失われていません。ジュゼッペ・ヴェルディの囚人の合唱「Va' pensiero, sull'ali dorate」(飛べ、思いよ、金の翼に乗って…)は、すべてのオペラの合唱の中で最も有名で感動的なものであり、イタリアの非公式な国歌とも言われています。自由への渇望と民衆の自己決定のための闘いの象徴として、今もなお共感を呼び起こし続けています。聖書に登場するネブカドネザルの物語は、権力と愛、憎しみと狂気、そしてエゴイズムに満ちた独裁者から謙虚な信者へと変わる王の姿を描いています。

しかし、ヴェルディの他の作品と同様に、ナブッコには、フェネナとアビガイルという二人の姉妹の愛情や、彼女たちが愛する夫や父親の愛を求めて戦うという、より親密な愛の側面も含まれています。ヴェルディはこれらすべてを本物の劇作家としての繊細さで描き、直感的で情熱的な音楽が今日でも観客を魅了し続けています。

 

あらす

時と場所:紀元前587年、エルサレムおよびバビロン 

序曲

演奏時間7分少々。はじめヴェルディは本格的な序曲を書くべきかどうか迷っていたが、義兄(亡妻の兄)ジョヴァンニ・バレッツィの勧めもあってこの序曲をまとめたと伝えられる。内容的にはオペラ曲中で用いられる各テーマを要約したもの。

 

第1幕

第1幕舞台情景(1958年)

バビロニア国王ナブッコと、勇猛なその王女アビガイッレに率いられたバビロニアの軍勢がエルサレムを総攻撃しようとしている。ヘブライ人たちは周章狼狽の態だが、大祭司ザッカリーアは「当方はナブッコの娘フェネーナを人質としているので安心」と人々を静める。

そのフェネーナとエルサレム王の甥、イズマエーレは相思相愛の仲であるが、アビガイッレもまたイズマエーレに想いを寄せている。アビガイッレは神殿を制圧し、イズマエーレに「自分の愛を受け入れれば民衆を助けよう」と取引を提案するが、イズマエーレはそれを拒絶する。

やがてナブッコも神殿に現れる。ザッカリーアは人質フェネーナに剣を突きつけて軍勢の退去を促すが、イズマエーレがフェネーナを救おうとしたためその試みは失敗する。ヘブライの民衆はイズマエーレの裏切りを非難、勝利を収めたナブッコは町と神殿の完全な破壊を命ずる。

 

第2幕

第1場

アビガイッレは自分の出自の秘密を記した文書を発見、ナブッコ王は王女フェネーナに王位を譲るつもりであることを知り激しく嫉妬する。バビロニアの神官たちは「フェネーナはヘブライ人の囚人たちを解放しようとしている。自分たちはナブッコ王が死亡したとの虚報を流布するので、この隙に王位を奪ってほしい」とアビガイッレを焚きつける。

第2場

ザッカリーアは破壊された神殿と祖国、そして人々の心の中の信仰心の復活を祈る。ヘブライ人たちはイズマエーレの裏切りを問責するが、ザッカリーアは人々に「今やフェネーナもユダヤ教に改宗した」と告げ、若い二人をかばう。

アビガイッレとバビロニアの神官たちが現れ、フェネーナから王冠を奪おうとする。そこに死んだはずのナブッコ王が登場、「自分はただの王ではない。今や神だ」と誇る。その驕慢は神の怒りに触れ、ナブッコの頭上に落雷、彼は精神錯乱状態となり、力を失う。こうして王冠はアビガイッレが手に入れる。

 

第3幕

第1場

アビガイッレは今や玉座に座っている。彼女は異教徒たちを死刑とする命令を作成、力を失ったナブッコに玉璽を押すように強いる。押印したナブッコは、改宗した実の娘フェネーナも死刑となることを知りアビガイッレに取り消しを懇願するが、彼女は聞かない。

第2場

ユーフラテス河畔で、ヘブライ人たちが祖国への想いを歌う。ここで歌われるのが有名な合唱曲「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」Va, pensiero, sull'ali dorateである。ザッカリーアは祖国の最終的な勝利とバビロニアの滅亡を予言、人々を勇気付けようとする。

 

第4幕

第1場

監禁されているナブッコはエホバの神に許しを請う。遂に忠臣たちが彼を解放する。ナブッコはフェネーナを救い、王位を回復することを誓う。

第2場

ヘブライ人たちがまさに処刑されようとする刹那、ナブッコが登場、彼はバビロニアの神々を祀った祭壇の偶像の破壊を命ずる。偶像はひとりでに崩壊する。ナブッコはこれを奇蹟であるとし、エホバの神を讃え、ヘブライ人たちの釈放と祖国への帰還を宣言する。群衆はエホバ神賛美を唱和する。形勢不利であると悟ったアビガイッレは服毒し、ナブッコとフェネーナに許しを乞いつつ絶命、ザッカリーアはナブッコを「王の中の王」と讃えて、幕。

プログラムとキャスト

インナーコートヤード トゥルン&タクシス城

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